
昆布をすべての食卓へ。コロナや震災を乗り越えて進み続ける“大脇昆布”
有限会社大脇昆布
更新日:2025年5月26日
「おぼろ昆布」一筋に。伝統と挑戦

削られた昆布は、まるで薄絹のよう。数年にも及ぶ修行を要します(2024年4月撮影)

削りたてのおぼろ昆布(左:中おぼろ、右:太白おぼろ)。部屋中に広がる、やさしく深い香り。
継承、改革、そして挑戦

性別や年齢問わず手に取りやすいパッケージデザインの『KONBU MAGIC』シリーズ(2024年4月撮影)
「パンにかける昆布」──逆境から生まれたヒット商品

商品は能登の素材にこだわってつくられている。ご飯派は『梅しそとろろ昆布ふりかけ』トースト派は『トーストにかけて食べる昆布』をぜひ(2024年4月撮影)

能登の多くの場所で地すべりが起こり、土砂が道路をふさいでいる様子(2024年震災当時)
震災後、自宅を失い作業場での寝泊まり。仮住まいが1年を超えた
「昆布のある食卓」を目指し、夫婦ふたりで挑む
資料作成も、商品の魅力発信も。皆さんの力を貸してください

商品作りから袋詰めまで夫婦の手作業で行われている(2024年4月撮影)
大脇昆布とは

いつかまた、この場所で昆布削り体験ができる日がくることを願って(2024年4月撮影)
事業者プロフィール
取材後記
おっとりとした雰囲気をまとった、大脇さんご夫婦。 そのやさしい佇まいとは裏腹に、未来をしっかりと見据え、力強く前進する姿が印象的です。 そんな大脇さんは、こう語ってくれました。 「能登の人たちは、つい我慢してしまう傾向があります。 でも、本当に助けが必要なときは、自分から声を上げなければ、助けてもらえないこともある。 だからこそ最近は『図々しくてもいい。助けてほしいと、ちゃんと伝えることが大切なんだ』と思うようになりました。」 その言葉の奥には、数々の困難を乗り越えてきた人だけが持つ、静かな強さがありました。
青木真子(あおき・まこ、ライター)
大阪府大阪市在住。 記事執筆にとどまらず、企画立案・取材・ディレクション・進行管理など、コンテンツ制作に関わる幅広い業務に携わってきました。 今回、能登への訪問経験はなかったものの、震災後の報道や現地の声に触れるなかで「何かしらのかたちで力になれたら」という強い思いを抱くようになり、参加させていただきました。