
「能登はこれから面白くなる」“日の出大敷”五代目網元が復興にかける心意気
有限会社日の出大敷
更新日:2025年10月6日
震災後10日で漁を再開

日の出大敷に所属する漁師は全部で20人。漁獲高は年間2,000tに達する。震災の起きた1月は、売り上げの多くを占めるブリの最盛期だった(画像提供:中田洋助)

日の出大敷の頭文字「ひ」と能登半島の形を掛け合わせたモチーフに、アクセントとなる赤丸が日の出大敷の漁場を表しているロゴデザイン
2つの交流拠点で、地域コミュニティの再建と関係人口創出を目指す

「鵜川みんなの番屋」イメージ図(画像提供:中田洋助)
能登はこれからめちゃくちゃ面白い土地になる

「人がいて、新しいものが生まれていかないと復興なんてしない」と話す中田さん
事業者プロフィール
取材後記
中田さんは、地元高校の外部講師として高校生に話をすることがあり、いつも「出られるなら、一度地元を出た方がいい」と伝えるそうです。地元での就職を勧める高校の先生からは「やめてくれ」と言われるんですけど、と笑いながら教えてくれました。中田さん自身、水産大学への進学のために地元を離れ、金沢の漁業網メーカーで経験を積んでから、Uターンして家業の漁業を継ぎました。 大学で、東京生まれ・東京育ちの友人たちに、方言や里帰りできるふるさとがあることをうらやましいと言われ、地元への見方が変わったといいます。「能登の良さ、あるいは他の土地の良さは、やっぱり自分が経験しないとわからない」と話す中田さんの言葉には、実感がこもっていました。 またインタビュー中、「能登の一見非効率な暮らしに、人間の本質があると思っている」と何度もお話されていたことがとても印象的でした。そんな中田さんの目を通して発信される能登の魅力に、触れてみたい。そのためにも、2つの交流拠点が完成したらぜひまた鵜川を訪れたいと思います。
那須あさみ(なす・あさみ)
山口県出身、長野県在住。フリーランスのライターとして、Webメディアを中心にインタビュー記事やコラムを執筆しています。2024年、能登半島地震の取材で初めて能登を訪れたことをきっかけに、「何か自分にもできることはないだろうか」と思っていたところ、「シロシル能登」を知りました。一人でも多くの人が、能登のいまに関心を持ち続けること、知ろうとすること、その一助になれればと思っています。