
能登の大地が育む循環型酪農。震災を乗り越え次世代につなぐ“西出牧場”の挑戦
西出牧場
更新日:2025年10月2日
能登の広大な大地で育む循環型酪農

能登ならではの広大な牧場
求む、酪農にチャレンジしたい人! 新規参入者を大歓迎
「使ってくれる、食べてくれる人あっての酪農」──酪農教育ファームと情報発信

牛舎の中。牛のお尻がずらりと並ぶ光景は壮観でした
西出牧場について

西出穣さんと広大な牧場
事業者プロフィール
取材後記
西出さんにお話を伺って最も印象的だったのは、「競合ではなく仲間」という能登の酪農家たちの結束の強さでした。震災という困難な状況のなかでも、隣の牧場の方と協力し、断水した牧場に水を運ぶなど、お互いを支え合い、新規就農者を心から歓迎する温かさに、能登の人々のお人柄を深く感じました。 実際に酪農家志望の方が能登の牧場を見学にいらした際には、七尾より北の酪農家で歓迎会を開かれたと聞きました。これほどの結束があれば、安心して酪農を始められるのではないでしょうか。 同様に印象的だったのが、西出さんの発信活動への情熱です。取材時間の3割ほどは発信活動について熱心に説明していただき、その思いの深さが伝わってきました。「生産者」という立場を超えて、未来を担う世代に農・食への関心を持ってもらうことや、能登の酪農の未来について考えることなどに注力されていることを知り、その視野の広さに感銘を受けました。 ラジオなどのメディア出演もされており、ニッポン放送の代表のお名前から名づけられた「チェリープレジデント・ヒワラ」という牛もいるそうです。西出さんの取り組みは、酪農経営という枠組みを超えた、地域と未来への深い愛情に満ちたものでした。
入江真穂(いりえ・まほ、ライター、旅人)
慶應義塾大学総合政策学部2年。専攻は経営学と国際関係論。 旅の、何が起こるかわからない感覚が好きで、これまでに30都道府県以上を訪問。国会議員事務所で2年間のインターンを経験。その他、地元のショッピングモールでおにごっこイベントを企画、行政と協働して大学生をターゲットとした旅を主催するなど、幅広く活動している。シロシル能登をきっかけに珠洲を訪れ、2025年6月に友人の大学生とともに再訪問。現在は奥能登の珠洲市を拠点に長期滞在中。