
能登の未来のために、生まれ変わる和倉温泉“多田屋”
多田屋
更新日:2025年8月30日
“多田屋”の社長として。「和倉温泉創造的復興まちづくり推進協議会」の代表として
地震発生の日と、それから

多田屋の館内には大きなヒビ割れが走る
和倉温泉創造的復興プラン
子どもたちの成長が、能登の成長
未来を描き、創るために
復興を、1つずつ、着実に
新しい祭をつくりたい
プロジェクトマネージャーを募集中
2027年の多田屋営業再開を目指して

海に向かって傾いてしまった多田屋の露天風呂

崩れ落ちた天井、剥がれた通路が、地震の大きさを物語る
能登に思いを馳せて
事業者プロフィール
取材後記
何度も旅行に訪れた、和倉温泉。ぼんやりと眺めた海景色は、あの時と変わらず穏やかに感じられます。 しかし、被害は絶大でした。ひび割れ、もり上がった歩道。壁が剥がれた建物。観光客で賑わっていたあのころとは、まったく違った表情を見せる和倉温泉がありました。でも、不思議と暗さは感じません。それはきっと、多田さんのように、前を向いて懸命に復興への道筋を立てている方がいらっしゃるから。 この日は、特別に多田屋さんの一室に宿泊させていただきました。大きな窓から見える能登の海。そうそう、この景色が好きだったんだ──。 疲れを癒しに、何も知らずに遊びに来ていた和倉温泉。能登が限界集落だっただなんて、この震災がなければ、ずっと知らずに過ごしていたと思います。 多田さんの言う、「震災のせいで、ではなく、震災があったからこそ」という言葉が胸に響いたのは、私もこの震災をきっかけに「知らなかったことを知ることができたから」だと思っています。 被害のあった個所を案内してくださる多田さんは、お手洗いのお声掛けや、足元へのお気遣いも細やかで、「おもてなしのプロ」を常に感じる時間でした。 また来たいな。新しく変わっていく姿も、生まれ変わった姿も、この目で見届けるために。

多田屋正面玄関から望む海景色
高岸麗美(たかぎし・れみ)
WEBやSNSなどを活用した発信を得意としたマーケターとして活動する、旅行とグルメとキャンプとお酒が大好きなフリーランス。 雑誌編集者だったころの経験を活かし、インタビュアー兼ライターとしても全国を飛び回っている「いつもどこかしらに行っている人」。 過去に何度も能登へ旅行した経験から、現在の能登に対して、自分のスキルを活かしたお手伝いができないかと思ったことがきっかけで、能登への取材活動を行っている。