
能登と子どもたちの未来のために“能登高校魅力化プロジェクト”
能登高校魅力化プロジェクト
更新日:2025年5月22日
能登高校の魅力を高めて生徒の未来を後押し

能登高校魅力化プロジェクトは2016年から進化を続けている
選ばれる能登高校実現のための事業

玄関から入ってすぐの部屋は、高校生のサードプレイスになっている

能登の自然は、高校生たちをのびのびとさせる

「みんなのこども部屋わくわくぷらざ」では、子どもたちが高校生のお兄さん、お姉さんたちと楽しい時間を過ごした

震災前、2023年の総探で、「子ども・保育・子育て」をテーマとしたグループが災害発生時に子どもたちのケアをする「こどもお助け隊」を企画していた

スタッフがマークをつける意義についても、きちんと定義されていた


「地域学」は、社会の中での自分たちを認識できる機会
新しい視点でプロジェクトに参画してくれる人材求む
1. まちなか鳳雛塾で学業をサポートしてくれる人
2. 能登高留学、総合的な探究の時間、地域学の講座などを企画、実施する人

高校生にとって塾のスタッフは、勉強だけでなく頼れる相談相手
創造力のある人には実現のチャンスが
発信活動のできる人も

高校生たちの未来に関わる仕事
“能登高校魅力化プロジェクト” について

里山里海の自然に恵まれた立地を、教育にも生かしている能登高校
事業者プロフィール
取材後記
木村 聡さんのお話を聞きに行ったのは、まちなか鳳雛塾。能登町の中心街である宇出津にあります。7月初めに行われる「あばれ祭り」は、高さ7mもあるキリコが各町内から40基も出て勇壮に練り歩き、大松明の火が夜空に燃え、2日目には御神輿が海や川に入ったり火に投げ込まれたり……。まさに大暴れするお祭りです。20年ぐらい前に見せていただいたのですが、この日には進学や就職で遠くに住む人たちも帰ってきて、懐かしい顔に再会しながらお祭りに熱狂するのだと聞きました。 今回、能登高校魅力化プロジェクトが高校の中だけではなく、町ぐるみで進められていると聞いて、あばれ祭りのようなお祭りが続いている地域だからこそ、今の我がことよりも町の未来のために動けるのだろうと納得しました。 現在能登高校魅力化プロジェクトをコーディネーターとして中心的に担っている木村 聡さんですが、意外にも、教職の経験はないそうです。前職がベネッセコーポレーションとのことですが、事業部と研究所の配属だったため、直接児童・生徒と触れあう立場ではありませんでした。 しかし今、学校や町役場と密接に連絡を取り合ってプロジェクトを進めるに当たって、教師とは別の視点や経験を背景に考えていけるのは、広範な可能性をもった生徒たちにとってとてもプラスに作用しているのではないかと想像しました。 木村さんは、「学校の先生はすごいです。これほど生徒のことを考えて動けるのかと、リスペクトしています」「まちなか鳳雛塾で講師をしてくれているスタッフは、勉強の指導もですが、生徒の相談にも一人一人のことをよく見て考えて寄り添っています」と、共に活動している仲間を信頼しています。 高校生が楽しく充実した学生生活を送って巣立っていき、これからの能登町、能登半島を明るくしていく未来に期待しています。 さらに木村さんは、高校生だけではなく、小学校高学年から高校生までの10代全般の居場所づくりにも意欲を燃やしています。 というのは、能登町には子どもたちが遊べる公園もあまりないし、学童保育を終えた年代が行ける児童館のようなものもない。都会のように、友だちと時間を過ごせるファストフード店やゲームセンターもないのだそうです。 震災ののち、子どものいる世帯が能登からかなり流出してしまったといい、それも無理からぬところがあるかもしれませんが、だからこそ今いる子どもたちが楽しく子どもらしく過ごし、大きく羽ばたいて未来の能登を築いていってほしいと思います。

毎夕、まちなか鳳雛塾に高校生たちが集まってくる

柳澤美樹子(やなぎわさ・みきこ、旅行作家)
「旅・食・人」をテーマとした著述編集のため、日本中をまわっている。1996年にJTBから発行された『ひとり歩きの金沢能登北陸』を書くにあたって濃厚に能登を取材したことから、能登とのご縁を深め、能登半島地震発災以来、観光分野で能登を応援したいと活動している。 日本旅行記者クラブ個人会員・日本旅行作家協会会員