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求むHERO!能登の暮らしを守り、支えるHEROたちの基地”HERO’sLabo”でともに未来を生み出す

HERO's Labo

更新日:2025年5月11日

能登の暮らしを守り、支えるさまざまなHEROたち

HEROとは尊敬できる技術や考え方、生き方、可能性を持つ人たち

 日々の暮らしの中にたくさんのHERO(ヒーロー)が存在しています。私、小川勝則(おがわ・かつのり)が思うヒーローとは超人的な存在ではなく、尊敬できる技術や考え方、生き方を持つ人たちです。  例えば、昔ながらの手法でサバやイワシのコンカ漬けを作るじいちゃん。コンカ漬けは地元で親しまれている発酵食品です。そして、旬には旬の食材を自分で採って食べるおっちゃん。雨の日も風の日も毎日毎日子どもたちの通学を見守るおばちゃん。地域で困ったことがあれば、みんなで知恵を出し合い解決する町内会などです。  分類するならば、昔ながらの生活の知恵を今に伝える、いわばレジェンドヒーローがいて、現在の暮らしを担うヒーローがいて、未来を創造する子どもたちというミニヒーローもいます。各ヒーローが能登の暮らしを守り、支えていると考えています。

神輿を作る舩本憲一(ふなもと・けんいち)さん(左)もレジェンドヒーローの1人(2025年4月)

祭りで活躍するHERO

キリコ祭りで火の粉を浴びながら神輿を火の中に投げ入れるヒーローたち(2022年7月)

 能登半島には270を超える祭礼があるといわれています。1年365日で割り算すると、約1.5日にどこかで祭礼が行われていることになります。  宇出津では春には曳山祭り、夏にはキリコ祭り、秋には恵比須大黒祭り、冬には起舟祭があります。特にキリコ祭りでは神輿が町内を渡御し、各家々では願いや感謝を込めて迎えます。  宮入りの前には紫タスキと黄色タスキを掛けた担ぎ手が川に入って神輿を洗い清め、さらに神輿を火の中に投げ入れて、焼き清めることで厄をはらいます。火も水もものともしない勇壮な担ぎ手たちはまさしくヒーローです。

地域を支えるHERO

 宇出津には約40の町内会があります。新村本町、昭和町、新村浜町の町内会である「新友会」の青年会を母体に、令和6年9月に一般社団法人「新村新友会」が設立されました。  この法人は町の復興計画をはじめ、総合計画などの実現に寄与することを目的とし、祭りなどの各種行事から炊き出しや子ども支援、除雪作業などで活動しています。新友会、新村新友会もまたヒーローです。

新たに能登と関わりを持つ人々もHERO

 能登町、特に宇出津は古くから北前船の風除港としてたくさんの人々が行き交い、関係人口が増えたことで栄えた港町です。そして今、他所からの移住や2拠点生活、ボランティアなどで新たに能登と関わりを持つ関係人口をいかに増やせるかが大切です。さまざまな能登の人とともに課題を解決したり、働いたり、暮らしを始める人々もヒーローなのです。

能登での暮らしを創造するHERO's Laboにお力添えを

 ヒーローズ・ラボは、能登半島に暮らすヒーローや能登半島と関わりを持つヒーローたちが、能登での暮らしを創造するための基地を目指しています。  漁業水産業などの一次産業のヒーロー、解体業や災害支援のヒーロー、宿泊飲食業のヒーロー、スポーツクラブのヒーローなど、みんながワクワクドキドキ試行錯誤しながら時間をともにできる場所にしたいと思っています。  地元だけでなく、県内外、国内外問わず、能登と関わる人たちがもっと必要で、その人たちもヒーローです。スタートアップとしてのご支援や、ご指導、共働など、いろいろなご縁をいただければ幸いです。どうか、受け継いできた能登の暮らしを続け、創造していくことにお力添えください。

”Boss HERO 小川勝則さん"について

 平成4年に能登町職員となり、今年3月末に退職しました。レジェンドヒーローから譲り受けた船で海に出る漁師であり、新村新友会の一員としても活動しています。自分ができることはたかが知れているかもしれないけれど、自身がBoss HERO(ボスヒーロー)としてヒーローズ・ラボの仲間とともに能登の復興発展に取り組んでいきたいと考えています。

自身の船「金丸」に立つ小川さん(2025年4月)

事業者プロフィール

HERO's Labo

代表者:Boss HERO 小川勝則 所在地:石川県能登町宇出津

取材後記

小川さんの取材は宇出津港に面した「いやさか広場」で行いました。町の人たちの憩いの場であり、キリコ祭りの会場でもあります。運が良ければ港から富山湾越しに立山連峰が見えると聞いて楽しみにしていましたが、当日は見えませんでした。  小川さんは「残念でしたね」と笑いながら、「冬場の天気が崩れる前日に見えることが多い」と教えてくれました。漁師として第二の人生を歩み出すとともに、能登ならではの生活文化や習慣、伝統技術を大切に繋いでいきたいと話す姿に力強さを感じました。  特に祭りを語るときは熱が入っていました。地元愛といいますが、それだけでは簡単に説明できない思いを感じました。  地震や豪雨災害の危機はもちろん、能登の日々の暮らしを守るために地元のヒーローたちで力を合わせようという話に、かつてのテレビのヒーロー番組でウルトラ兄弟や歴代仮面ライダーが集結するシーンを思い出しました。  小川さんは地元のヒーローだけでなく、能登と関わる人たちもヒーローであり、関係人口を増やすことが大切だと力説します。私も弱々しいながらヒーローになれるのだろうかと考えながら能登を離れました。

神野泰司(フリーライター・行政書士)

地域情報紙の発行に携わっていたときに東日本大震災が起こり、ボランティア団体をはじめ、消防団や自衛隊などのさまざまな支援活動を取材しました。ですが、仕事とはいえ、後ろめたさを感じていました。2018年にフリーとなり、西日本豪雨で被災した広島県呉市でのボランティアを機に、微力ながら災害支援活動を続けています。 日本記者クラブ個人会員・茨城県行政書士会所属

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