
重機も操る医師が守る、輪島市町野町の再建と健康──町唯一の診療所“粟倉医院”
医療法人山桜会 粟倉医院
更新日:2025年05月25日
自分たちの手で、町野町を再生させる。
お祭り、ログハウスづくり……少しずつ、景色を変えていく

大石医師が実際に操縦していた重機

2025年4月に開催された「桜フェス」の様子(大石医師提供)

「桜フェス」は夜まで続き賑いをみせた(大石医師提供)
町野町の復旧・復興に来て、見て、携わってほしい。

ご本人も取材者も、大石さんが医者であることを忘れそうなインタビューでした
町野町の健康を守る“粟倉医院”
事業者プロフィール
医療法人山桜会 粟倉医院
代表者:大石賢斉 所在地:石川県輪島市町野町粟蔵ホ19甲
取材後記
お医者さんの取材と聞いて向かった先にいたのは、まさに重機を操縦している最中の大石さんで、想像していた姿とのギャップに驚いたのが始まりでした。 「お話を聞いた活動は、普段のお医者さんの仕事に追加してされていることですよね。正直大変ではないですか?」 取材終わり際の私の問いかけに、大石さんはおっしゃいました。 「正直、楽しいからやっているんですよね。僕自身がこの活動を一番楽しんでいると思います。 それに、ワクワクした気持ちで、イキイキと身体を動かして生きる人って容易なことでは病気にならないんですよ。そんな人を増やして、この町の患者さんをゼロにするのも、僕の目標なんです。」 ああ、大石さんは本当に「町野町のお医者さん」なんだなと思いました。 取材を行った2025年4月時点では、町野町の中には山が大きく崩れた場所が残っており、その壮絶な傷跡に、自然に対して畏怖の念を抱かずにはいられませんでした。 都会で便利に暮らしていると、そんな自然の脅威を目の当たりにすることも、身の危険を感じることもほとんどありません。 でも、果たしてそのままでいいのだろうか。本当の意味で、強く生きるとはどういうことなんだろうか。 日に焼けながら重機を操縦する大石さんの姿に、言葉に、町の景色に、考えさせられた取材でした。
島田真衣(しまだ・まい、会社員・ライター)
奈良県出身。鉄道会社のローカル線活性化企画・広報を経て現在は日用品メーカーの広報・オウンドメディアを担当。趣味は一人旅、大自然を満喫すること。